問題を可視化するプロセスを作る – 英会話 個人レッスン
英語は言語。 言語は形がなく(Intangible) 、本質的に抽象的 (Abstract) なものです。
受講者様の質問に対し、具象を抽象に上げる、抽象を具象に下げる。
要素から全体へズームアウト、全体から要素へズームインと、説明を展開する場面が連続します。
カリキュラムに沿った、学校の英語授業であれば、参考書の引用程度で事は 足りるでしょう。 その一方 文法、発音、ニュアンス、コンテクストの作り方と、あらゆる角度から 質問が投げられる 英会話 個人レッスンでは、形式知(explicit knowledge) を基盤とした受け答えだけでは 核心にたどり着くことができない場合が多く、暗黙知 (tacit knowledge) の情報を 紡ぎあげ、黄金律と 仮説の間を 行ったり来たりすることが 授業進行の基本であり、個人レッスンの醍醐味でもあります。
MPE の英会話個人レッスンは オーラル中心に進みますが、受講者様からの質問に答える時は、ノートを使うようにと 各講師に推奨しています。
他社の英会話 個人レッスンでは ノートはあまり使用しないようですが、受講者様の質問を、ノート上で 可視化できるようにすると、問題点の コアな部分 に気づき、より深い理解へとつながります。
ノートを使うメリットは何か？
１ 脳のワーキングメモリーを酷使しない
ノートを使わずに、その場で 音声のやりとりを 記憶するには、短期記憶を駆使することになりますが、これは 脳のワーキングメモリーを酷使することにつながります。
講師が説明したことを、ノートに記録し、復習できるようにすれば、脳にかかる負荷を減らすことができるでなく、
短期記憶から 長期記憶への橋渡しも スムーズに行われるので、より高いレベルでの疑問が生まれたり、新たな課題への試行錯誤が生まれたりと、脳をクリエィティブな状態に 導くことができると思います。
２ 英語の音 こそ 可視化が必要
英会話 個人レッスンでは 一般的な英語授業に比べ、発音に関する質問を よく頂くことになります。
発音に関しては 口の形を見せて真似てもらう – それを繰り返しても ほとんど何も改善されない。 MPE の講師の方であれば よく理解していることと思います。
– 単語を 音素まで 分解する。
– 有声子音は 無声子音に 落としてから 説明する。
– 摩擦音は 摩擦の H を取って、説明する。
– 発音記号で説明する。
MPE の講師は皆、研修１日目でこの手法をマスターしていますが、受講者の方に、音声学と 音韻論の原則を 理解していただくことは、非常に難しい。
そんな時、ノートがあれば、問題を 可視化できるので、理解しやすい。
ノート上での可視化の後、英語音素の口の形を 説明すると、受講者様の理解は より深いものとなります。
原則 – 受講者様の１つの質問には 必ず３つの不透明な点がある
例） 現在完了形が 上手に使えない受講者様がいたとする。
完了、継続、経験 の違いを理解していないからか？ ここで疑問を止めるのでなく、さらに 掘り下げて３つの仮説を立てる。
– 過去形 と 現在完了形の違いを理解していないからか？
– 状態動詞、瞬間動詞、継続動詞から 説明したらよいのか？
– 現在完了形が理解できないというようりも、過去完了形の存在が理解できないのか？
受講者様の顔色をうかがいながら、どこを切口に 説明したらよいか 考える。 不透明な点は 必ず３つ以上あるはずなので、ノートに書いて 示さなければ 覚えきれない。
ノートの必要のない 個人レッスンは、内容が浅い。 だから 記述する必要も生まれないのだと思います。
３ レッスン後の復習で、疑問が湧く
受講者様は 英語で話しを するのが精一杯で、質疑応答にまで 至らないことも 間々あります。 ノートに 授業の内容を少しでも 記述していれば、ノートと 自身の理解を整理する際の ガイドラインとして 利用できます。
また、ノートを使用することは講師にも メリットがあります。
説明が 不十分であった場所をノートに記し、印をつけ、帰宅する電車の中で もう一度考え直してみる。
そうした ちょっとした 努力が 積み重なることによって、講師としての 実力がパワーアップするのだと思います。
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英会話講師たちが、日々の個人レッスンに用いる、フレーズや、言い回しを持ち寄って英語例文集を作っています。 勉強になりますよ！
